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木材は乾燥が進むにつれて収縮・変形しますが、その収縮の度合いは木材の方向によって大きく異なります。
左上の図の通り、木材の半径方向の収縮を1とすると、繊維方向には1/10しか収縮しないのに対して、接線方向には2倍収縮します。これを木材の収縮異方性といいます。よく起こる表面割れは、半径方向と接線方向の収縮率が2倍も違うために起こるのです。
木が割れやすいのは木の性質として仕方がないことであり、乾燥による表面割れの大きさは強度に影響を与えないことも研究で明らかになっています。その点を住まい手にしっかり説明することが、後々のクレームを避ける重要なポイントとなります。
この収縮異方性による表面割れをなるべく少なくしようと、昔から行われていた対策の1つが「背割(せわり)」です。
左下図のように背割をしないでおくと4面に不規則に割れが発生します。しかし1面に背割をすると、その背割が開くことで他の面の収縮を吸収し、表面が割れにくくなるのです。
現在では乾燥技術の進歩により、高温蒸気式乾燥によって背割をしなくても表面割れを起こさずに乾燥することもできます。
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