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現在、木材の強度を表す指標として「ヤング係数」がよく用いられます。このヤング係数とは、木材のたわみにくさを示す数値であり、数値が高いほどたわみにくい材であると言えます。一般的にベイマツはE110、スギはE50〜70の材が主流であり、実際にスギは材質が柔らかく、ベイマツは固いため、スギは弱いと考えられがちですが、本当にそうなのでしょうか。
国交省告示第1452号において、樹種ごとのヤング係数に対応する基準強度が下記のように示されています。(一部割愛)
ベイマツのE110と、スギのE70の曲げ強度を比較してみましょう。E110のベイマツの曲げ強度は30.6であるのに対して、E70の杉は29.4と、ほぼ遜色ない数値が出ています。さらにベイマツE110とスギE90の曲げ強度を比較すると、ベイマツは30.6に対してスギは34.8となり、ベイマツの強度を10%以上上回る数値となります。このことから、「スギはベイマツよりたわみやすいが、曲げ耐力はベイマツを上回る」ということがわかります。
このように、ヤング係数と強度との相関は樹種の性質によって異なるため注意が必要です。
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