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1.住宅市場が大きく変わりはじめています
私たちの関わる木造注文戸建て住宅市場は市場としては縮小期に入っています。2000年に38万戸の需要があった在来木造市場は、その10年後の現在は約28万戸となっています。この10年で市場が25%も縮小したのです。 今後、消費税増税前の駆け込み需要によって一時的な回復が考えられますが、増税になった以降、私たちが存在している市場は新設着工量が20万戸前後になると予想されています。つまり15年前の半分になるということです。
半分になるということは、これまでこの市場に存在していた工務店そして施工パートナーである協力業者もまた、半分に淘汰されるということです。
こうした状況はかなりの確率で起こることは想定できます。この危機意識を背景として私たちは市場の激変期に備え、その残存条件の整備を進めることを今から開始することとしました。 「いままでこうだったから」という時代は終わりました。「これからはこうなるだろう」という一歩先を読み、顧客に信頼される工務店でなければこの市場に地域に持続的に存在し続けることは困難になってきました。
2.節電社会で求められる住宅に変化も
さらに、住宅に要求される品質・性能的な水準が高まりました。当然のことながら時代が求める技術基準を楽々と超える力がなければ、顧客から家づくり工務店としての信頼を得ることはできません。
長期優良住宅に象徴されるように、優れた超寿命な住まいをつくるためには、優れた施工技術が不可欠です。優れた施工技術で要求される初期的なスキルは自身の安全対策とマナーです。
近隣との挨拶、現場清掃の徹底、就業時間内禁煙の徹底、KY(危険予知)活動の徹底といったマナーと安全管理が徹底された現場にその技術を顧客そして近隣あるは見学客は見出すのです。
受注はどこから来るのでしょうか。自然に受注が来るわけではありません。私たち工務店は、地域に存在する価値をお客様に認めていただけないと存在しえないのです。そうした価値創造を行うために様雑な情報発信を行い、顧客に認めてもらえる努力をしています。
価値創造の情報発信の一つが現場です。現場を介して顧客創造が行えることが私たちの理想です。
とはいうもののご承知の通り、顧客の要求は品質とコストに対して日々シビアさを増しています。こうした状況の中で、我々は生産の合理的な方法を協力業者の皆さんと考えていいかなくては、企業としての持続性が失われてしまう危機感の中にいます。
3.瑕疵担保責任保証保険の加入義務化、長期優良住宅法が施行されています
瑕疵担保履行法と呼ばれる「瑕疵担保保証責任の保険加入義務化」が決定し、平成21年11月引き渡し物件から、保険が必ず付与されなければならなくなりました。
この保険は全ての住宅に義務化されるものですから、その前提が「完了検査済証」の交付を受けたもの、ということになっています。
従って、何らかの手違いやうっかりミスによって、済証がおりないようなケースが発生した場合は、施主は引き渡し拒否(保険が付与されないために)ということとなります。つまり、最終工事代金を済証が交付されるように工事修正し(へたをすると確認申請の出し直しも必要です)、そして引き渡しを行う、ということとなります。
4.新たな法的環境に積極的に対応する意味
このような改正が着々と進行しつつあり、現場での品質管理、内部検査体制の充実、各工種毎での品質管理記録づくりと開示が極めて重要な課題となりつつあります。もちろん、各工種毎での法令順守はいうまでもないことです。
そして、これが一番大切なことですが、こうした内部品質体制を固めることで、お客様の信頼と満足度を高めること、このことを第一義に私たちは新たな法的環境に対応したいと考えております。
5.1工務店で対応することの困難性
こうした品質管理体制を強化するには、既に工務店1社で対応する、という状況を超えた事態になっています。そこで、私たちは、私たちの加盟する協同組合SAREXの横浜・多摩地域のメンバー工務店が合同化して、互いの品質管理体制をベンチマーク(お手本)する形で、この新たな時代に対応していくこととしました。
工務店の仕事の半分は、協力業者の皆さんの優れた仕事で成り立っています。しかし、品質管理や自工種での管理記録づくりとその届け等は十分に行われているでしょうか。もちろん、これは私たち元請けたる工務店の責任でもあります。そこを強化するための方法として「名匠家」という名前で合同化した品質管理体制づくりを目指したいと考えています。
6.協力業者さんたちの情報交流の場として
その意味で、私たちは協力業者の皆さんも含めて、合同化した形での「名匠家」を結成したいと考えています。
皆様方がお考え以上に今後、市場競合や法律的な縛りの強化、材料のトレサビリティなどの要求強化によって、工務店や専門工事業者に対して極めて厳しいリスクを背負わされることとなります。
このリスクを全員でヘッジすることがどうしても必要と考え、今回「名匠家」の名前で工務店も協力業者も合同化して、この厳しい環境に対応し、顧客が創造できる現場づくり、顧客が信頼する現場づくり、顧客が満足する現場づくりを行うために、お互いに刺激しあい、最新の情報等を持ち合いながら、互いの技術を高めて行きたいと思っています。 |
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