2001年、あるハウスメーカーが「L・25」という企画住宅を坪当たり25万円で売り出して、1ヵ月の間に4,000棟を販売した、とTVでも取り上げられるほどのニュースになった。
このニュースを聞いて「世の中にはいかに無知な者が多いことか」と思ったのは私だけではなかっただろう。
その建物は平屋建てであるが、45度勾配の屋根がかかっており、小屋裏利用の2階建てである。
普通このような場合、小屋裏の面積は建物面積に算入しないのが普通であるが、この場合は建坪の8割を建築面積に入れて、坪単価を出している。
おまけにメーターモジュールの計算である。3尺モジュールでは、0.91×0.91=0.828平方メートルだが、メーターモジュールでは、1.0×1.0=1.0平方メートルであり、3尺モジュールに比べ2割近く面積が広くなる。その広い面積で総工費を割って坪単価25万円を算出したものである。3尺四方だろうと、1m四方だろうと、大工の手間や材料は違わない。従ってこの商品の坪単価は25万円ではなく、40万位についている。
このようなごまかし商法が長続きする訳がなく、今では話題すら出てこない。
工務店はいたずらにFC商法や外断熱工法などに振り回されないで、自社ならではの家づくりを確立すべきである。 |