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第5回 工務店のつくる家とメーカー住宅(II)

1.建て売り住宅花盛り

 ここ数年の間に建売業者の進出が著しい。住宅供給がアメリカ型になっていく前兆なのだろうか。
 しかし、アメリカと比べると日本の建売業者は“不動産屋”であって“工務店”ではないというところが大きな違いである。
 バブル以前は大手デベロッパーによる大規模住宅団地の開発が主であったが、現在はほとんどの大手不動産業者は戸建て分譲から手を引き、マンション分譲へと切り替わった。現在、建売分譲で話題を呼んでいるいくつかの業者は、数年前までは、地域建売不動産業者であった。
 バブルがはじけ、土地の競売物件などが増加し、これらの落札には競売に馴れた特別なノウハウを持った者以外は不可能に近かった。いくつかの建売不動産業者はこの土地取得に長けていて、地元業者が公示価格や路線価などに惑わされ手を出せずにいるのを尻目に、誰よりも高値を出し土地を取得していった。
 規模は問わず、100坪位の土地に3棟も建て、1戸3,000万円台で分譲をする。これがアンチ・マンション族などに結構売れている。
 昔のデベロッパーは土地の開発で利を得ていたが、現在の「パワービルダー」と呼ばれている建売業者は土地では利を見ず、建物を安くつくり、ここから利益を出している。土地で儲けたくとも、もはや土地では儲からない時代になってしまったということなのだろう。
 土地取得のノウハウは別にしても、建物を安くつくるノウハウは他人事ではない。偶然にも下請けをやっている業者に話を聞くことができ、いくつかのことがわかった。
 彼らの下請け業者の使い方には大手ハウスメーカーと比べて著しい違いがあった。土地が取得できるとその土地の材木屋を使って大工を紹介させる。木材は羽柄材ぐらいは買う。その他の建材、アルミサッシュなどは、メーカーに入札させて購買する。
 私が前回、よい家を安くつくる唯一の方法として書いた「棟梁型工務店」の方式通り、現場監督などはいないし、その手間賃などどこからも出ない。要するに、かつて工務店と称して住宅を請負っていた2〜3人の大工集団が、仕事がなくなり背に腹はかえられず、やむを得ず下請けをしているというのが実態である。
 木材店にしても、あまり利益の出ない野縁・胴縁などの羽柄材しか売ることはできず、運送屋でしかない。
 そのようにしてつくられた家がそこそこの出来映えであり、すぐ売れるのは、デザイナーの使い方が上手いからだろう。下手な住宅メーカーよりも、今のユーザーの好みをキャッチして、絵に描いたような外観をつくっている。
 経年変化が心配なこともあるが、買った客の維持費が嵩むだけのことなのかもしれない。
 これら建売業者が建物で利益を上げるノウハウは、設計事務所に格好の良い住宅デザインを考えさせ、これに間接経費のかからない棟梁型工務店を安く(叩いて)使い、2〜3割コストを下げ、それを自分達の利益にしているということである。
 このことが良い悪いということではなく、こういう家を求めているユーザーもいるというのが現実である。
 彼らは、仕事の取れない大工・工務店にとっては、救世主なのかもしれないが、ならば一日1万円ぐらいしか稼がせない大工の手間賃を、もう少し上げてやったらどうだろう。
 なんのかんのと言っても、I産業グループ5社で12,000棟の年間完成高とのことである。これには、大手ハウスメーカーも驚き、今ではかつての2世帯住宅の宣伝をやめて、皆建て売りに手をつけ始めた。

2.フルオーダメイドとレディメイド住宅

 間取り以外は自由のきかない大手住宅メーカーの家づくりと土地付き住宅販売業者のつくる住宅は、既製品であり、規格品なので、我々工務店のつくる注文住宅とは、性質が異なる。
 価格においても当然注文住宅の方が、高価なのは当たり前のことなのだが、あまりその価値は、認知されていないのが実状である。
 Yシャツひとつとっても既製品なら、5千円前後で買えるが、同じ生地を使っても注文ならば、1万円は下らない。このことは誰でも当たり前と理解するが、こと住宅になると既成建売の倍もすると高いと言われる。
 シャツならば着心地の違いが直ぐわかるが、住宅の場合は何年も住んでみないとその価値がわからないのだろうか。
 注文住宅では何がコストを押し上げるのかと言うと、それには種々の要素があり、例えば「材料のまとめ買いができない」とか、「施工図の作成など現場管理費がかかる」などとと言われているが、決定的なものは施主との打ち合わせに時間がかかり、建売住宅に比べ生産性が悪いということだろう。
 弊社の土曜、日曜には何組みかの施主と担当者との打ち合わせが行われているが、長いと半日もかけている熱心な客が多い。そして色見本では納得せず、ボードに実物の漆喰を塗らせ、決定するという始末である。
 1軒の家を完成するのには、恐らく数十回の打ち合わせが必要であり、設計事務所が入ると100回は超える。おまけに途中の設計変更は当たり前である。
 既成企画型の建売住宅ならば一人の現場員で十数棟管理できるが、注文住宅ならば、2〜3棟位しか現場を持てない。これらの要素がコストを左右することをわかっているようでわかっていない。

3.「工務店ならでは」の家づくり

 殖産住宅とか日本電建というかつての大手注文住宅メーカーが消えてしまってから、フルオーダーメイドの住宅をつくれるのは設計デザイナーと工務店しかいなくなった。
 大手住宅メーカーが「注文設計」とか「自由設計」などと謳ってはいるが、フルオーダーメイドは無理で、標準化とか資材の定番化に制約されていて、イージーオーダーメイドの枠を超えられない。
 今こそ適正な経営規模を持った、技術力と設計力を兼ね備えた工務店が持てる力を発揮して「工務店ならでは」の家づくりを確立し、社会にアピールすべき時である。
 良い住宅の定義は、一口に言い表せるものではないが、誰にでもわかりやすい表現としては「安全・堅牢」で「格好が良い」、そして「建築費が安い」ということだろう。
 構造・デザイン・コスト―この3要素をいかに工務店としてクリアできるかが重要な課題である。
 この3要素の中でいまいち…と懸念されるのはデザイン力ではないだろうか。
 施工技術と設計力は車の両輪のようなものであり、どちらか一方の力が弱いと車は真っ直ぐには前に進まない。いかに、均衡のとれた施工力と設計力を工務店として確立できるかに工務店存亡が懸かっている。
 近来、設計事務所と名乗ったり、建築家と称したりしている人たちが住宅を手がけるようになってきたが、これらの人たちともっと業務提携し、仕事を頂く先生としてお付き合いするのではなく、イコールパートナーとしてデザインを任せて、共存共栄の業務分担ができれば、双方にとっての受注機会は倍増する。
 こうして、技術と設計をバランス良く兼備し、大手ハウスメーカーを超越した適正規模経営の工務店が、社会に必要とされる工務店を目指して、自社オリジナルの「工務店ならでは」の家づくりを提案すべきだと思う。

4.工務店ブランドの確立

 大工職人の養成と進んだ加工場の設置が注文住宅工務店の基本であり、これこそ大手住宅メーカーや商社型の工務店との差別化である。
 「工務店ならでは」の家づくりとは、こうした「工務店ならでは」の生産設備から生みだした住宅であるべきで、自ずとその方向性が見えてくる。
 近頃はフル大工職人(墨つけから、造作完成までできる大工)がいなくても、プレカットした軸組みに内装大工、ボード貼り職人などがいれば、家がつくれるようになってきたが、このような家をいくら競争してつくっても、本来持家など持つべき資格が(経済的、人格的に)無いユーザーに振り回されるだけである。
 木材の持つ木目の美しさ、香り、肌触りなどを生かした、木造軸組住宅こそ工務店がその持てる技能を生かせる唯一の工法である、と私は信じる。
 日本の家大工職人は、私の知る限りでは世界一だと認識している。
 アメリカやドイツのフィニッシュ・カーペンターには日本の真壁表しの家はできない。螺旋階段はできても、くせのある柱に敷、鴨居、長押などを毛ほどの隙間もなく収められる技術はない。大壁に枠を組み、ケーシングを打ちつけ、サンダー仕上げをするだけである。この世界一の大工を使って2×4などをつくるのはもったいない。
 木材を見せ、軸組みを意匠としてデザインする家づくりこそ、職人と加工場を持っている工務店の取り組む工法ではないだろうか。
 住宅雑誌などでよく、「工務店のつくる家」などの特集をしているが、これらを見てもどこが工務店のつくる家なのかわらない。工務店でなくともつくれる家ばかりである。
 技能職人を育て、工場を持っている正統派の工務店なら、自社独自の住宅がつくれるはずである。当然ながら生産工務店であるから、施主のいかなる要望にも応えることは必要であり、自社のこだわりのみを、お金を払ってくださる施主に押し付ける(『「いい家」が欲しい。』の外断熱工法など)ことは間違いである。
 建築設計事務所の設計であろうと、ハウスメーカーの下請けであろうと、形にするのがプロである。しかし、工務店としての主体性を確立する意味からも、自社ブランドの家づくりをもって、工務店経営の核とすべきであろう。

5.木造軸組工法の革新

ミニプレカットライン(中野工務店)
 この10年間に木造軸組工法が大きく変遷した。主なものをいくつか挙げると、
(1) 機械プレカットの普及     
(2) 継ぎ手金物の登場
(3) 根太レス、厚合板床の採用
(4) 耐力パネル壁の採用
 などがある。
 機械プレカットの普及は木材の流通機構まで変えた。町の木材店がプレカット加工のご用聞きになり、それらを相手にしていた木材市場は誰にでも売る木材スーパーへと転進を余儀なくされた。いまや工務店の大部分がプレカットを採用している。
 
クレテック金物
沖縄の呉屋繁雄さんが「クレテック」という画期的な木造軸組継ぎ手金物を開発し、それによって新しい架構システムが登場した。
 それらの中には革新的な優れものも少なくはなかったが、ほとんどの金物がフランチャイズシステムの販売をとっているため、折角の技術が一般化していない。
 この「クレテック」と名付けられた継ぎ手金物は、今数ある木造軸組み継ぎ手金物の原点であり、私は沖縄の呉屋繁雄さんの発明はもっともっと評価されるべきだと思う一人である。
 継ぎ手金物の普及と軌を一にして、構造用合板メーカーが25・、28・というサイズの厚合板をつくり出した。数年前から根太レス工法として定着したが、当初は火打ち梁を入れた、入れないで現場で行政官とよく揉めたものである。
 廉価の輸入合板の普及で木造の現場から根太が消えつつある。これらの影響で耐力壁にパネルを採用し、筋かい工法から徐々に断熱耐力パネルに変わりつつある。
 この業界には一部ではあるが変革を嫌う人種が存在し、理屈を捏ねているが、現場ではプレカットがそうであったように、どしどし変革が始まっている。プレカットにしても、継ぎ手手金物にしても「これは良い」と言って工務店経営者に薦めたのは、現場の大工たちであった。
 いつの世でも何だかんだと御託を並べるのは、オーソリティと称する人たちも含めて、現場を知らない似非技術者たちである。
 商社がフランチャイズ商法で新工法を餌に無知な工務店を取り囲もうと躍起になっているのを尻目に、能ある工務店は着々と住宅建築の革新を進めている。

6.自社オリジナル「番匠型住宅」の開発

 私は自社を決して能ある工務店だとは思っていないし、他人の評価も当然そうであるが、今まで愚直は愚直なりに改革に取り組んできた。
 弊社は、昭和57年に手動式のプレカットラインを設置し、現在も稼動している。その後、呉屋さんの開発した継ぎ手金物に刺激されて、機械プレカット継ぎ手と金物の併用工法を考えた。それと同時に、木造軸組構造の美しさを壁で包み込まず意匠として見せる、いわゆる表しスタイルを採用したシステム工法を開発した。
 この工法を、かつて私が大工の養成塾として設立した「番匠塾」にちなみ「番匠型住宅」と名付け、平成9年(財)日本住宅・木材技術センターから合理化システム認定を受けた。その後種々改良して今日に及んでいるが、工務店のつくる住宅のひとつの例としてお伝えしたい。

上)飛騨高山 吉島家(写真:中野栄吉)
下)飛騨高山 日下部民芸館(写真:中野栄吉)
番匠型住宅梗概・
〔1-1〕真壁、構造材化粧し工法
  木造建築の伝統的な架構式工法を基本に、飛騨高山の吉島家住宅、あるいは日下部民芸館に見られる力強い民家型と、桂離宮の数奇屋風書院の美しさを兼ね備えた現代の和風住宅を目指し、高耐久、耐震、健康の各課題を考慮しながら、大工手間の省力化を図り、経済価格を実現させることを目標にして開発をした。
 機械プレカット加工と、継ぎ手金物のそれぞれの長所を活かし併用とする。
 また、大工による手加工も、従来あるホゾ取り機にアタッチメントを介してスリットカッターを取り付けることによって、簡単に加工することができる。勿論プレカット工場にての、継ぎ手加工も容易である。
 また、造作においても開孔部の枠立て、見切縁の取り付けなどが省け大工工賃の省力化が計れる。

〔1-2〕設計の標準化
 モジュールには拘らないが、現在の建材流通寸法に合わせて100cmと91cmを基本寸法とした4p×4p、4p×5pの基本コアを主とし、これに数種のサブコアを配するグリット構成プランを標準とする。〔1-3〕構造の標準化
 構造材の接合には、継ぎ手金物と機械プレカット加工とを併用する。小屋組は登り梁方式を原則とし、母屋、垂木を省き、登り梁間に断熱材充填の野地パネルを、登り梁に固定する。耐力壁には筋かいに替わり、構造用合板を室内側に貼った耐力パネルを柱間に納め、パネルフレームを柱、土台、胴差しに固定する。
 横架材の線上での継ぎ手を無くし、すべて通し柱勝ちとして、通し柱に一本ものの横架材を継ぎ手金物で固定する。〔1-4〕接合金物の開発
 使用木材は、乾燥材であれば樹種には拘らない。ただし土台だけは防蟻上、ヒバ、豪州檜、檜の赤身材とする。防腐注入剤は安全農薬を使用してあっても使用しない。
 継ぎ手金物には、当社が新しく開発した、番匠型金物・市場名テクノコネクター(性能認定Sマーク取得済)を使用する。
 継ぎ手金物使用の条件として、使用部材の断面は、柱にあっては140平方センチメートル以上、横架材にあっては250平方センチメートル以上を最低とする。
 本システムの開発について一番留意したのはこの継ぎ手金物であった。クレテックの使用も検討したが、この金物は木造プレハブ用に適しており、木材表しには、向いていない。
 金物と通し柱の接合が通しボルトで固定するため、どうしてもドリル孔のクリアランス分だけ多少精度が落ちる。そこでこの番匠型金物では、クリアランスの少ないパイプボルトを使用すると共にスリットを隠す受けプレートを下部に設け意匠性を高めた。
 従来の通し柱と胴差しの継ぎ手仕口では柱材の断面欠損が大きく、先の阪神・淡路大震災でもこの部位の破壊による被害が大であったが、この継ぎ手金物の採用により柱の断面欠損が減少し、構造力学的にも、複数のドリフトピンによる接合の結果、従来のピン接点から、剛接点に近くなり固定度が増加した。このため、ベランダなどの片持梁などが容易に出来るようになった。

番匠型金物
〔1-5〕真壁梁桁表し意匠                          
 継ぎ手部位にコネクター金物を採用するため、柱梁とも断面は大きくなる。折角骨太の構造になるのに、これに天井を張ったり、ボードを張って隠してしまっては、もったいない。「住宅は骨と皮と機械とで出来ている」となにかの本に出ていたが、骨を皮で包むのではなくて、骨の間に皮をつけて、木の骨組みと皮である壁を強く美しく表現するのが「番匠型住宅」のスタイルである。
 ここ数年の間に梁とか垂木をそのまま表すデザインが多く見受けられるが、ほとんどと言ってよいほど壁は大壁であり、壁の中から太い梁が飛び出しているのが多い。これとて間違いとは言えないが、職人の目から見るとどうも気になって、付け梁でも良いから、梁受けの横架材が一本欲しくなる。
 柱が垂直に立ち、胴差しが水平に載り、それに梁が架かる、その姿が自然であり、そこに美しさが生まれるのだと思う。番匠型住宅梗概・
〔2-1〕構造用合板による耐力壁
 工務店の中にも未だに、「我が社はすべて無垢材を使い、ベニヤ板(合板)は使いません」などと言っている人がいるが、なぜなのか不思議でならない。昔「釘を一本も使っていない普請だ」と自慢する人がいたことを思い出す。
 フェノール樹脂を使った合板ができて80年ぐらいの歴史があり、条件さえ整えばゆうに100年は持つとの試験データーが合板メーカーのカタログに載っていたが、あくまで、条件が整っていればの話で、使い方を間違えれば十数年ももたない。
 どんな接着剤でも湿気と熱に弱く、これによって合板の寿命が決まる。
 昭和40年代に流行した合板下見板などは、皆十数年で外気に曝されている正面が剥離してしまったことがあるが、耐水合板と謳ってあっても外気に曝した使い方では10年が良いところである。
 ゆえに、耐力壁に合板を使う場合はできるだけ熱と湿気からガードされた使い方をしなければならない。2×4工法における枠材の外面に合板を張りそのままモルタルを塗って外壁を仕上げているのを見かけるが、たかだか20・ぐらいのモルタルでは、夏場の西側における合板の正面温度はかなり上昇するので、合板の寿命は太陽熱によってかなり短くなるはずである。
 「番匠型住宅」の構造体は、100年はおろか半永久的な耐久力をもたせることを基本にしているので、出来るだけ合板を熱と湿気からガードするために室内側に収めるパネルを開発した。これだと合板の外面に断熱材を充鎮するので、真夏の太陽熱からガードすることが出来る。またこの工法は通し柱勝ちで、横架材の通し柱間の継ぎ手はなく、一本材であるゆえに、管柱と横架材とは一体化しているので、柱間に収めた壁パネルは外れ止めの釘打ちだけで水平力に対抗することができる。
 現在、ほとんどの合板使用の耐力壁が柱の外部に釘打ちする工法をとっているが、これだと釘(N50)のせん断力だけに頼っているので、合板の寿命と合わせて、釘の寿命も考慮しなければならない。
 最近普及してきた不燃・耐水の構造用ボードなどは、計算上は壁倍率が確保されているが、釘の打ち方が難しく、気をつけながら手打ちで釘がめり込まないようにしないと耐力は100%出ない。
 大工に対して釘打ち機のエアー圧力を調整徹底させることは簡単のようで容易ではない。頭部の広がった専用釘をなぜつくらないのかと思う。
 これらの理由から、構造用合板は柱の外面に釘打ちするのではなくて、柱間に合板固定材を介して、室内側に固定する事が構造体の耐久性を増加させることになる。
 構造的にも筋かいにかかる応力が一点に集中するのに比べ、合板4辺で応力を分担する、いわゆる面剛性が増加するので、斜材による線応力よりはるかに耐震的である。
 また、断熱材の充填についても、斜材がない分施工が楽であるなど、構造用合板壁パネルは筋かい工法に比べて数々のメリットがある。

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